2016年7月23日土曜日

祖父の手紙(その2)

私が東京の女子短大に勤めている頃に、送られてきた祖父からの手紙です。
この封筒には、祖母(かよ)からの手紙も入っていました。



20日の大寒より、大変気温が降下したが、その後二人共達者に努力している事と思います。
さて、お土産の湯のみ茶碗、24日に確かに受け取ったから安心するよう。
あれで茶を飲んで、一日も長く生き抜くつもりである。ありがとう。
次に、今後寒気の増加の折りから、いっそう体を大切に。怪我をせぬように。感謝・忍耐・努力を忘れぬように。これまた長生きするなら、タバコを止める事。
その後、祖父母、両親、皆達者ゆえ、安心するよう。
次に一治も、最後まで頑張るよう。
5千円同封してあるゆえ、二人でカレーライスでも腹いっぱい食べて、元気をつけるよう。
一枚でもたくさん着て、風邪をひかぬよう。
先ずはこれにて。
祖父より
一治君、利明君へ 2月26日7時 気温5度

昭和49年の手紙です。
この年の2月に、友人と二人で福島の猪苗代湖(磐梯山)へ、スキーに行きました。
生まれて初めてのスキーでした。
この手紙は、その時に買った湯のみ茶碗と、和紙でできた無地の日記帳を、祖父母に送ってあげた事への礼状です。
両親には、民芸品を送ってあげたと思います。
文面に、『有難う』ってあります。
おじいさんに、ありがとうと言ってもらえるなんて、思いもよりませんでした。
そのくらい遠い存在でした。

私は二人兄弟の次男ですが、長男である兄は幼少のころから祖父に可愛がられ、いつも祖父の膝の上に抱かれていました。
私はたった一度だけ、祖父の膝に乗せてもらったことがあります。

(先生さん)

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