2016年8月15日月曜日

祖母からの手紙

祖母から一度だけもらった手紙があります。

祖父の手紙(その2)でも記載しましたが、福島に初めてスキーに行った時に、祖父母にお土産を送ったことがあります。
夫婦の湯飲み茶碗だったと思います。
その時の礼状には、祖母の手紙も入っていました。
 
利ちゃんお元気ですか
先日はおじいさんやおばあさんにまでに良いお品を送りてくれまして ほんとうに嬉しく思ひました
早速御礼状を出さねばなりませんのに 大変おそくなりましてすみませんでした
おじいさんも此の五六日わ かんじゃが大変お多くて そのうえ家の用事がたくさんあって書くひまがないと心配して 利ちゃんにおそくなったしだいで おばあさんわ寒さによわいので寝てばかり居って おそなったがごめんね
利ちゃんお正月前にかえりた時 小松へつれて行きてくれた事を思えば嬉しかった
又春休みに帰りてどこかえ連れて行きてね たのしんで居るからね
一治にいさんにもよろしくね
寒さがきびしいから 二人共風をひかないようにしてね
さよなら 利ちゃん おばさんより
(原文のまま)

小さい頃祖母に連れられて、よくお参りに行きました。
朝倉古谷の知恵の文殊尊、それから宮が崎の筋神さんや朝倉の金比羅さん、そして小松の子安さん(香園寺)や奥の院などです。

高校生の頃、祖母を連れて行ってあげたことがあります。
その時に、筋神さんから金比羅さんに抜ける林道で道に迷ってしまい、祖母の手を引きながら山の斜面を登ったり降りたりしながら、ようやくたどり着いたことを覚えています。

この手紙の時には、小松の香園寺と奥の院に、連れて行ってあげたのだと思います。

この手紙は、裸電球の下で書いたのでしょうか。
最初で最後にもらった、たった一通の手紙です。
祖母はとても優しい人で、小さい頃からよくしてもらいました。

祖母はそれから数年後に倒れ、しばらくの間寝込んだ後、私の誕生日に亡くなりました。

私が今も山や寺社によく行くのは、祖母が生前に歩いた道を辿っているのかも知れません。

平成28年8月15日

(先生さん)

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